daikoubutsu-大好物daikoubutsu-大好物

1994年11月東京の知人宅でゴールデンレトリーバーの赤ちゃんが産まれ、女の子を一頭譲り受け鹿児島へ連れて帰ったのが、初めて自分で責任をもって犬と暮らすことの始まりでした。1986年に発刊された「anjourアンジュールある犬の物語」という絵本がずっと心に残っていたので、アンジュという名前にきめました。

車から投げ捨てられた犬は突然野良犬となり道をさすらい、ひとりの男の子と出会うまでを白黒のデッサンだけで描かれた物語です。

1997年5月アンジュは9頭の子供たちを出産し、中でも一番弱そうだった最後に生まれてきた娘を残しエヴァと名付けました。
アンジュとエヴァとの暮らしは幸せすぎてあっという間でした。

2004年7月突然アンジュの腫瘍が発覚し、病院も転々とし、ありとあらゆる民間療法やサプリも試しましたが、どんどん弱っていきひと月ほど寝たきりになった後、8月27日にあまりにも早く、10歳で虹の橋を渡ってしまいました。

弱って食欲が落ちてからも大好物だったパンだけはよく食べてくれました。
アンジュの好物は、パン、ヨーグルト、暑い時期だったので氷も良く食べました。
友達のパン屋さんに栄養たっぷりのパンを焼いてもらいましたが、最後は大好きだったパンも食べなくなってしまいました。

今思うと、鹿のスープだけはきっと最期まで飲んでくれたかもしれません。

わたしが6歳の時亡くなった祖父も、最後に口にしたのはすりおろしたりんごジュースでした。人間も、動物も最期まで口にできるのはスープなのではないでしょうか?

大好きな食べ物があると、楽しみも増えるし、元気がでます。
だから最後の時のためだけでなく、元気な時から大好物を沢山作って、知っておいてあげたい。

大好物になってくれたら。そんな想いでスープを作りました。